こんにちは。習志野駅から徒歩20秒の予防歯科、ウィステリアデンタルケアです。
日々の口腔ケアに欠かせない歯ブラシですが、歯ブラシといっても種類はひとつではなく、さまざまな硬さや形状の歯ブラシが販売されています。なかでも歯ブラシの毛先は「やわらかめ」「ふつう」「かため」の3種類があり、「かため」の歯ブラシを好む人も少なくありません。しかし「かため」の歯ブラシを使用することで、歯や歯茎にダメージを与える可能性があります。
本記事では、「かため」の歯ブラシを使用した際に起こりうるリスクと、適切な歯ブラシの選び方について詳しく解説します。
■「かため」の歯ブラシとはどんなもの?
歯ブラシの売り場を見たことがある人なら目にしたことがあると思いますが、歯ブラシの硬さには、「やわらかめ」「ふつう」「かため」といった種類があります。このなかで、「かため」の歯ブラシは、ほかの2つに比べて毛先がしっかりとしており、触った感触が堅いのが特徴です。市販されている歯ブラシのパッケージには、ブラシの硬さが明記されていることが多く、歯ブラシの選び方として多くの人が見ているポイントとなっています。
しかし、どんな硬さなのかが明記されていても、ブラシの硬さによってどういう効果や影響があるのかまでを深く理解している人は多くないかもしれません。適切な歯ブラシを選ぶためには、効果や影響までしっかり理解しておくことが大切です。
■「かため」の歯ブラシを選ぶ人が多い理由
「かため」の歯ブラシを好んで選ぶ人は多いですが、その理由として、「しっかりと磨ける」「力を入れて磨けるから汚れが落ちやすい」といったことがあげられます。特に、プラークや食べかすをしっかりと除去してすっきり感がほしいという考えから、かためのブラシを選ぶ人も少なくありません。お口の中が健康な状態であれば、使用していても特別支障はなく、むしろ磨いたあとにスッキリ感を感じられるので、愛用し続ける人も少なくないでしょう。しかし、この「しっかり磨ける」という感覚には実は多くのリスクが潜んでいるのです。
■「かため」の歯ブラシを使用することによるリスク
「かため」の歯ブラシは、短期間でしっかりと歯垢を除去できるように感じるかもしれませんが、実は長期的に使用することで歯や歯茎に悪影響を与えてしまうのです。
①歯茎へのダメージ(歯肉退縮)がある
「かため」の歯ブラシを強く押し当てて磨くことで、歯茎に過度な負担がかかり、歯茎が後退する現象=歯肉退縮が発生するリスクがあります。歯茎が後退してしまうと歯の根元が露出しやすくなり、さらなるトラブルの原因になります。さらに、進行すると歯茎の健康が損なわれ、歯の動揺が起きやすくなるだけでなく、歯周病の進行に影響を与えてしまうこともあります。
②歯の表面(エナメル質)が削れる
歯の表面は通常エナメル質という層で覆われていますが、このエナメル質は想像しているよりも繊細です。毎日「かため」の歯ブラシを使い続けると、エナメル質が削れて歯が敏感になり、プラークも溜まりやすくなります。エナメル質は一度失われてしまうと自然再生はされないため、注意が必要です。
③知覚過敏が悪化する
エナメル質が削れてしまうと歯の内部にある象牙質が露出することがあります。象牙質はとても敏感な組織なので、冷たいものや熱いものが刺激となって痛みを感じる、「知覚過敏」の症状が出やすくなります。知覚過敏がある人が、「かため」の歯ブラシを使用してしまうと、さらに歯の表面が削れて症状を悪化させる原因になり、痛みを感じやすくなります。知覚過敏の予防や改善のためには、「やわらかめ」の歯ブラシを使用することがおすすめです。
歯茎が弱い人や知覚過敏がある人、歯列矯正治療中やインプラント治療後の人は、敏感になっていることが多いので、特に「かため」の歯ブラシを避けるのが望ましいです。
■歯ブラシの選び方とブラッシング方法
歯ブラシを選ぶ際は、「やわらかめ」や「ふつう」の硬さの歯ブラシを選ぶことがおすすめです。この硬さの歯ブラシを使用することで、歯や歯茎に優しく、エナメル質を傷つけるリスクも減ります。また、正しい方法でブラッシングを行うことも大切です。むやみに力を入れて磨くのではなく、歯ブラシを軽く歯や歯茎に当てて小刻みに動かして磨くことでプラークや食べかすを効率的に除去することができます。
■まとめ
毛先が「かため」の歯ブラシは、汚れをしっかり落とせるというイメージがありますが、使用を続けると、汚れを落とすどころか歯や歯茎にダメージを与えてしまう可能性が高くなります。適切な硬さの歯ブラシを選んで優しく丁寧なブラッシングを心掛けましょう。
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