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クーガといえばミリタリー調のオリーブドラブのクーガ7を真っ先に思い起こす方が多いでしょう。余り知られてはいないのですがクーガ7は米国でも結構人気が有り、今でもオークションではかなりの高値であるのは日本と同じです。クーガ7で初めて採用されたジャイロアンテナはフェライトアンテナが補足できるAM波に可成りの強い指向性があることを逆手にとって、フェライトアンテナ自体を旋回式にして本体の向きは変えずにベストな受信をする事を可能とする物でした。発売当初は単なるギミックだと小生などは高を括って居ましたが、実際に弄ってみるとなかなかどうしてこれはかなりの優れものです。正方形の本体、厚みも相当に有り、10cmの強力なスピーカーも小さく見えますが、実際はスピーカーの能力に合わせてボディの内容積が十分に有り、比較的柔軟なエッジが自由に動く事で大音量に耐え、低音再生能力もこの時期のラジオとしては突出していた等等、大ヒットも十分に頷ける内容の傑作でした。此方の112はそんな大ヒットのクーが7のルックスを使い、TV受信も可能な3バンドとした一台でした。TV受信ができる為、最近のFM補完放送も受信できるのは強みですが、一方で当時大流行だった短波視聴が出来ない事は大きなハンデとなり、クーが7程のヒットにはなっていません。それでもクーガ7と同じスピーカーを使い、アルミを前面に貼ったボディはクーガ7よりもむしろ強度は上がっていた筈で、同じ様に低音が充実した力強い音が出ます。この個体は非常に状態が良く、ここ迄の物は中々手に入らないでしょう。含浸液が染み出して多少内側がべたつきますがビニールのカバーも付いています。機能面でも全く問題は無く、タイマーもほぼ正確に作動、ダイヤルライト点灯、アンテナはオリジナルでスムーズに伸縮します。ボリューム類にガリは無く、電池室も綺麗とほとんど何の問題も有りません。唯一前面のクーガのCの文字が一部消えており、ビニール含浸液の化学作用でメッキ部分にサビのような微細な汚れがあります。電池と汎用ACアダプターはお付けします。この状態の同モデルの価格をAmazon、楽天でチェックされれば十分にリーズナブルであることはお分かり頂けるでしょう。